【自動猫トイレはNG⁉】獣医師の私がオススメしたい病気・粗相を防ぐ猫トイレはコレ!

猫について

私はささかま猫と暮らし始めて現在4年目になります。 

猫が健康で長生きしてもらうために、普段私が意識していることをご紹介します。 
今回は、猫の快適トイレ環境について。 

早速だけど猫にとって快適なトイレってなに?

ささかま
ささかま

猫本来のトイレ行動が出来る環境を用意するにゃ!

つまりこんなトイレを用意してほしいにゃ! 

…思ったよりシンプルで、特にこだわりを感じさせないトイレですよね。
そうなんです、猫のトイレってシンプルイズベストなんです。

でも実際にお店で見る猫トイレや、その関連商品(猫砂・シート)は凝ったものが多いと感じませんか?(ex.香り付き猫砂、自動クリーニング機能付きトイレ、屋根・蓋付きトイレ等)

そこで、これから獣医師の私が考える理想(でも現実的な)の猫トイレ&トイレ環境を詳しくご紹介していきます。

この記事を読んで分かること

✓猫が健康で長生きできるトイレが分かる
✓猫の粗相や泌尿器系疾患の原因が見つかるかも?
✓猫本来の排泄行動(環境)を知ることができる
✓猫と人にとって、ストレスフリーなトイレが分かる

理想の猫トイレとは?

早速ですが、猫の理想のトイレ環境をご紹介します。 

実家の畑

これがトイレ?畑じゃない。 

ささかま
ささかま

そうにゃ!ほんとは広々とした所で出すもん出したいにゃ! 

こんなところがいいの??

でも、こんなトイレ(?)用意できるわけないよ~ !!

猫にとってはこんな環境がいいようですが、さすがに簡単には用意できません。 
ですが、100%は無理でも理想のトイレに近づけることはできますよ! 

そもそも猫はどうやって排泄してる? 

猫は通常、トイレに入ると、匂いを嗅ぎ、砂をホリホリし、くるりと振り返ってまたホリホリ…といった行動をしばらく繰り返した後、用を足します。

このような行動を無理なく行うためには、ある程度の広さがあるトイレが必要です。 

私の実家の15歳の猫は、元野良猫で数年前まで家の中と外を自由に行き来できる環境で暮らしていました。屋外で用を足す様子を観察していると、先ほどの写真の場所に向かい、じっくりとホリホリしたり体の向きを何度か変えた後、青空の元堂々と用を足していました。その後、これまた丁寧にふかふかの土をかぶせゆっくりとその場を後にするのでした。(畑を手入れする父が激怒するまでがセット) 
きっとこれが猫本来の排泄行動(排泄環境)なのでしょう。

畑トイレ兼パトロールに向かう若いころの実家猫

家庭での理想のトイレ作り 

猫本来のトイレ行動を知ることができました。 

これを踏まえて、ご家庭で理想のトイレ環境を作るにはどのようなことに注目したらよいのでしょうか? 

とりあえず、広めのトイレを用意すればいいってことだね! 

ささかま
ささかま

それだけじゃ無いにゃ!もっと気を付けてほしいポイントがたくさんあるにゃ! 

大事なのはもちろんトイレの広さだけでなく、数、置く場所、猫砂の質、清潔さなども大切です。 それらに注目したうえで理想のトイレ環境を作っていきましょう。 

理想のトイレ環境の要因と注目するポイント
大きさ 広くて屋根や蓋がない開放的なもの(目安:猫の体(頭~尾の付け根まで)の1.5倍程の広さ)
(屋根付きトイレや、潜り込むタイプは、動きも制限される上匂いもこもってしまい好ましくない)  
数   少なくとも猫の頭数分のトイレ(+1個が理想的)
設置場所猫が長く滞在する場所の近く&静かな場所に設置(気が向いたらすぐにトイレに行けるような所) 
猫砂猫砂は細かい粒状のものを好む猫が多い(子猫から大きな粒状の物を使い慣れていればそれでOK) 
猫砂は無香料タイプを選ぶ(システムトイレの場合はおしっこシートも同様に) 
清潔さ排泄物はこまめに取り除く(朝夕1日2回など) 
トイレ自体も定期的に丸洗いする 
多頭飼いのご家庭では?

トイレの数・設置場所などは特に気を遣っておきましょう。それぞれの猫たち相性や性格、お気に入りの場所などは様々。彼らの行動をよく観察していると「この子が近くにいるとこちらの猫は緊張してるかな?」とか「他の猫のウンチがあるとこの子はトイレを使いたがらないな?」など見えてくるはず。試行錯誤しながら快適なトイレを提供したいですね。

少なくとも、これらの点を気にかけておけば猫もストレスを感じることは少ないはずです。

細かな注意点は他にも色々あるようで、この記事を書く際に参考にしたWebサイトには、 「猫砂を敷く厚さは3cmが好ましい」など興味深い情報がいろいろ載っていました。 

海外のサイトなので英語表記ですが、日本語設定も可能ですので興味がある方はぜひ目を通してみてくださいね。 
さらに、以下の画像は上記サイトに載っていたものです。こちらも参考にしてみてください。 

(インターナショナル キャット ケア | 猫の愛のために (icatcare.org)に)より引用 

トイレの環境整備ってそんなに大事なの? 

快適なトイレの条件は分かったけど、そんなに気を使うべきことなんだね?

ささかま
ささかま

そうだにゃ!

人間も汚いトイレには行きたくなくておしっこ我慢したりするにゃろ?

確かに友達にトイレ我慢し過ぎて膀胱炎になってた人いたなぁ…

ささかま
ささかま

トイレが嫌だと違うところでおしっこしたり、我慢し過ぎてお腹が痛くなることもあるにゃ。

猫もトイレに不満があるとおしっこを我慢してしまいます。結果、腎臓や膀胱に負担がかかってしまい、最悪の場合、感染症や尿路結石等を引き起こす可能性があります。また、トイレを使いたくなくて、飼い主さんの布団やソファで粗相をしてしまうこともあります。

トイレに不満がある時のサイン

あなたの猫は用を足すときこんな姿勢で用を足していませんか? 

あるいはトイレを出る時、低い声で鳴きながら猛ダッシュするのを見たことがありますか? 

トイレダッシュ

これらの行動を目にすると、私たちは「足が汚れたくなくて器用におしっこするんだね」とか「ウンチしてスッキリしたのかな?」なんて微笑ましく思ったりもします。 

でも、本当にそうなのでしょうか?
あんな不安定な姿勢で、落ち着いてトイレが出来るのでしょうか?
私の実家の畑トイレで用を足していた実家猫は、こんなダッシュしていたでしょうか?

実はこれ、「このトイレなんかヤダ!」というサインだと言われています。

トイレの縁に足をかける行為は、「このトイレ狭いな」と感じているのかもしれません。
トイレから猛ダッシュする行為は、「このトイレ汚いから早く出たいな」と感じているのかもしれません。

あなたの猫は、普段どのようにして用を足していますか?トイレにまつわる問題行動に困っている方は、今一度じっくりと観察してみると何か発見があるかもしません。 

ささかまのトイレを大きなトイレに交換してみたところ、普通にトイレができるようになりました。さらに、以前はトイレダッシュも何度かありましたが、掃除の回数や猫砂の量を増やした所、悠々とトイレから出てきてくれるようになりました。

私が購入した猫トイレ
猫砂やおしっこシートは無香タイプがオススメ
トイレ改善後も粗相が直らない場合

原因がトイレ以外にあるのかもしれません。
動物病院できちんと検査をしてもらいましょう。
・精神的なストレスがかかっている
 例)飼い主さんに構ってもらえない/引っ越や新しい家族(人・猫等)が増えた等
・病気を抱えている
 例)膀胱炎によりトイレまで我慢できず途中で漏らしてしまう場合もある

それでも粗相が治らない場合

病気もない、考えられるストレス源も排除したけど、粗相をしてしまう…。
そんな時は、動物の行動学を専門とする獣医師に相談する事も選択肢の一つです。人間でいうところの“精神科”、“心療内科”が、動物の分野にも少ないですが存在します。行動学の知識と経験を積み、難しい試験を突破した獣医師は、動物行動認定医(獣医行動診療科認定医)行動学専門医と呼ばれます。その資格を持つ獣医師を紹介したページを載せておきます。

まとめ

猫にとって快適なトイレ

猫本来の排泄行動が出来るトイレを用意しよう!

具体例

・猫の体の1.5倍程の広いトイレ
・猫の頭数分+1個の数のトイレ
・猫のお気に入りの場所から近くて静かな場所
・砂粒が細かい猫砂
・清潔で匂いもないトイレ 
など

トイレの環境整備が大切な理由

泌尿器系(腎臓・膀胱等)の病気や、粗相などの予防に繋がる!

この記事が、猫も人もハッピーに暮らせる手助けになればうれしいです。

おまけ ~友人獣医師宅の猫トイレ~

たっぷり猫砂が入った衣装ケースがこの子達のおトイレ✨
これだけ深いと砂が飛び散る心配も少なそう!

猫のトイレに迷われている方、このようなトイレもぜひ検討してみてはいかがでしょうか?

トイレを紹介してくれた猫たち

いつも仲良しキジトラ兄弟のTwitterアカウントです。トイレの紹介ありがとう!

https://twitter.com/tofucatvet?s=20&t=jh0J-nrMb4xkQATmvNTAdQ
この記事を書くために参考にした本
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この記事を書いた人

アラサー獣医師。新卒で牛の獣医師として約6年務めるも、心身ともに疲弊し休職・復職を経て退職。在職中に出会った猫と馬に夢中になりその魅力発信のためブログを開設。乗馬歴は200鞍程度。上達したくて本やネット、YouTube等で得た知識をもとに書いている。ふわっとした情報は嫌いなので論理的かつ分かりやすい情報発信に努めている。(※現在妊娠中の為乗馬はお休み中)犬猫の診療経験はなく、記事を書くため再度勉強する日々。

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